10日の朝、わんたの容態が急変したので予定より1日早く大学病院に行きました。
血液検査すると溶血が進み肝臓がさらに悪くなっていたのです。
次の日使う予定だった抗がん剤も血液の状態が悪く使えないとの事でした。
仮に使ったとしても現在の状態から判断すると効果はあまり期待できないそうです。
大学病院の先生は痛みを和らげる医療に変える事を薦められました。
また今日輸血をするかどうかも尋ねられましたが今回は輸血を止め帰る事にしました。
5回目の輸血の際に少し悪い反応があったのでショック症状が出るのが怖かったのです。
唯一効果があると言われていた抗がん剤が効かない以上打つ手はありません。
輸血をしても痛みを延ばして苦しめるだけ…そんな可哀相な事はできなかった…。
流動食や吐き気止めの薬を処方してもらい、わんたを連れて車に乗り込みました。
わんたは家に帰れると安心したのか貧血で白くなった舌をみせてニコニコ顔。
帰りはわんたが今まで歩いた公園をハシゴする事に決め順番に寄って行く事に。
わんたは貧血で弱った体で公園を見る度に前に体を乗り出します。
駐車場につくとシートを引いてわんたが飽きるまで座って景色を眺めていました。
もう体に力も無いのでしょう、歩き出す力もありません。
でもわんたはずっといつもみたいなニコニコ顔です。
車中でもニコニコだったわんたの顔に夕日が当たって金色に光り輝いていました。
やせ細った顔なのにすごく綺麗で神々しい笑顔です。
家に帰ったわんたは寝転んで何度も姿勢を変えていました。
いつもなら寝つくはずなのに全然眠れないようなのでさすったりしましたが眠りません。
夜中から呼吸が少し荒くなり買っておいた酸素缶を吸入させました。
酸素水も与えてみましたがもう水も受け付けないようです。
ずっと側についていましたがその状態が続きました。
11日の朝になって突然わんたは吐くような姿勢を取り動かなくなったのです。
動かなくなったわんたの表情はとても穏やかで笑ってるようにさえ見えました。
体を触ってもまだ温かく、とても死んでいるようには思えなかった…。
わんたの体をタオルやウェットティッシュで念入りに綺麗にしました。
固くなったわんたの体はいつも眠っている姿勢で呼吸しているようにさえ感じます。
家にある保冷剤でわんたの体を冷やしておきました。
近所で花を沢山買って来てからわんたの周りを飾りました。
夏生まれのわんたにお似合いの向日葵の花を沢山しきつめます。
でもやっぱり花はわんたには似合わないのでいつも眠ってる時の姿に戻す事に。
ああ…本当にいつも眠ってる時と変わらない。
でもわんたの手に残った針の跡がとても痛々しい…。
点滴を何度もして辛かったんだろうな…。
初めての場所で一人で過ごして寂しくて不安だったんだろうな…。
そんな考えが頭の中にいくつも浮かんできます。
最後に無理させちゃったのかな…。
私の事を恨んでるんじゃないのかな…。
今となってはもうどうしようも無いのだけれど胸が締め付けられます。
それでもわんたは最後まで私に笑顔を見せてくれた。
なんて健気で優しい子だったんだろう…。
わんたが眠っている姿を見つめていると昔の事をいくつも思い出します。
まだ車も持っていない頃、遠くまで小さいわんたを迎えに行きました。
初めて見た時のわんたの小さい横顔は今でも目に焼き付いています。
わんたを遠くに連れて行きたくて車の免許を取る事にしました。
午前中は教習所、夕方から原稿の毎日ですごく大変でした。
夜中に足音を気にせずにわんたが走れるように一軒家に引っ越す事に。
家を見に行った時、わんたが気に入って走り回ったのでそこに決めました。
わんたが家に来てからの8年弱はほとんどわんたの為に生活してたような気がします。
元気にしててくれたら来月の3日で8歳になるはずだったのに…。
7年間ずっと病気もしなかったのに、たった一ヶ月でこんな事になるなんて。
私は最後まで奇跡を信じてたんだけど…奇跡は起きなかった…。
最後だけは家で看取ってあげる事ができたのがせめてもの救いです。
わんたを一人寂しく病院で息を引き取らせる事はどうしても嫌だった…。
たとえ最後の姿が悲惨だったとしても逃げずに見てあげたかった。
ずっと側について不安を取り除いてあげたかった。
それだけはなんとか叶いました。
ブログで沢山の方に励まされて、なんとか頑張る事ができました。
途中で何度も心が折れそうになっていたので本当に感謝しています。
しばらくはコメントとかペタとか遅れがちになると思います。
ブログもなるべく早めにいつも通りに戻していくつもりです。
無理に明るくしてて痛いな~って思うかもしれませんがいつものように接して下さいね(^^;)
いつもニコニコしてくれたわんたを見習って私も笑顔でいたいと思うので。